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リアプノフスペクトル解析

リアプノフスペクトル解析  - カオス解析解説 -
リアプノフスペクトルとはリアプノフ指数の組のことで、リアプノフ指数はアトラクタの埋め込み次元の数だけあります。
という力学系について、近接した2点から出発した2つの軌道 がどのくらい のとき離れてゆくかを測る尺度で、
と定義されます。これは、カオスアトラクタを力学系としてみた場合の不安定さを示す数値です。 値が大きければ不安定、小さければ安定であることを示します。ここでいう不安定とは系に小さな力を加えた時に、 大きな状態の変化となって現れることを意味します。リアプノフ数は、カオス的な面で考えると値が大きいほど、 変動の予測が難しいことを意味します。リアプノフ指数が、負の場合、軌道は周期点へ収束します。反対に正の場合は、 十分近い2点から出発した軌道は指数関数的にその距離を広げていきます。リアプノフ指数は、系がカオスであるときは その中の少なくとも一つは正の値をとります。しかし、リアプノフ指数が正の値になったからといってすぐにカオスである と判断してはいけません。ホワイトノイズのリアプノフ指数も正の値になるからです。ノイズとカオスを見分けるには、 相関次元により区別がつきます。カオスであれば、次元を高くしていくと、相関次元は飽和してしまいますが、 ホワイトノイズの場合はいくら次元を高くしても飽和しません。カオスの判定は、リアプノフ指数と、フラクタル次元 (相関次元)の両面から行う必要があります。
-関連項目-
アトラクタとリアプノフ指数の関係
ホワイトノイズ
アトラクタとリアプノフ指数の関係
アトラクタとリアプノフ指数の関係(3次元相空間に埋め込まれたアトラクタ)
アトラクタタイプ
λ1
λ2
λ3
平衡点
-
-
-
リミットサイクル
0
-
-
トーラス
0
0
-
カオス
+
0
-
 

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